イギリスの教育制度(高等教育・大学)

高等教育の特徴


イギリスで大学に進学する場合は、シニアスクールでGCE-Aレベル(統一テスト)を受験するための勉強をするか、「シックス・フォーム」または「チュートリアル・カレッジ」とよばれる大学進学準備校で勉強をします。

学士号は一般的に3年で取得可能。 イギリスの義務教育は16歳までですが、ほとんどの学生がその後も何らかの学校に進学をします。イギリスでは大学だけでなく、カレッジや職業訓練校など、さまざまな進路が用意されています。

イギリスには大学が100校以上ありますが、バッキンガム大学1校を除けば、すべてが国立大学です。大学がこの数になったのは1992年以降と、イギリスにおける高等教育の歴史は長く、オックスフォード、ケンブリッジ、アバディーン、エジンバラ、セント・アンドリュース、グラスゴーの各大学が創立したのは、13〜15世紀にさかのぼります。

有名なロンドン大学は、30ものカレッジがあり、ロンドンスクールオブエコノミクスをはじめ、高いレベルのカレッジが揃っています。また、比較的新しい大学は、ビジネスやコンピュータなどの分野の実学をメインにしています。

公立カレッジ

イギリスの公立カレッジには、主に職業訓練コースを提供するファーザー・エデュケーション・カレッジ(Further Education College)と、学士号を含む高等教育を提供するハイヤー・エデュケーション・カレッジ(Higher Education College)があります。
ファーザー・エデュケーション・カレッジは、地域の職業教育と社会教育を行う機関で、16歳から入学できます。いわば、総合専門学校のようなもので、職業に直結した国家資格取得を目的としたコースが多いのが特徴です。全くの初心者から手に職をつけることができ、なかには、HND(Higher National Diploma)やFoundation Degreeといった国家資格を取得して、提携大学に編入するコースをもつ学校もあります。

一方、日本でいう大学にあたるハイヤー・エデュケーション・カレッジは学士号取得を目標としたコースがメイン。College of Further & Higher Educationとして、専門コースとアカデミックコースの両方を提供する学校も多数です。 なお、学士号と修士号を授与できる課程をもつユニバーシティカレッジと呼ばれる高等教育機関もありあす。公立カレッジへの留学は、短期間で手に職をつけたい人、専門技術と知識を大学レベルまで高めたい人に向いています。

専門技術に重点を置いたHND、ファウンデーションディグリー他

イギリスの場合は、私立専門学校、公立カレッジ、国立大学のそれぞれで専門技術教育が実施され、充実しています。(留学生が公立カレッジの専門技術コースで学ぶことも可能です)

また、ハイヤー・エデュケーション・カレッジなら、専門技術を学んで学位取得を目指すこともできます。 イギリスの国家検定資格は、経営、会計、秘書、美容、医療、建設、エンジニアリング、溶接といったように細かくジャンル分けされていて、NVQ、GNVQ、BTECディプロマなどが代表的な資格であり、こうした資格はEdexcel、RSA、C&Gといった国公認の認定団体によって認定されています。

これらの資格の中でも、BTEC HNDやFoundation Degreeは、昇級技術者や管理職の資格ですが、専門技術大学の学部レベルの2年次修了と同等レベルと評価されています。こうした国公認の資格取得は、専門職キャリアへの一種のパスポートともいえ、地元の学生にも人気のコースです。留学生の場合、高校卒業資格と英語力審査でだいたい入学できますが、HND取得コースやファウンデーションディグリーはイギリス人ならGCE-Aレベル2科目以上合格が求められるほど高度なレベルとなります。 日本の高校卒業から、ファウンデーションコースを経て、ハイヤー・エデュケーション・カレッジのHNDコースやファウンデーションディグリーに進学するという留学コースを選んだ場合は、技術をしっかり身に付けたうえで学士号の取得もできるという大きなメリットがあります。
なお、ケンブリッジ英検においてファーストサティフィケートレベルの英語力が判定され、希望する専門において技術者として社会経験がある人は、入学が許可されます。

公立カレッジで提供される主な資格取得コース

【一般職業資格コース】

・ AVCE (Advanced Vocational Certificate of Education – Vocational A-levels)

・ GNVQ (General National Vocational Qualification)/GSVQ (General Scottish Vocational Qualification)

・ BTEC/EDEXCEL First Diploma/National Diploma 特定の職業に必要な実務的

・理論的な学習と、大学へ進学して、実際に働き始める前により深い知識を身につけること二つを組み合わせたコース。上級レベル修了は、学士号課程に入学するための資格として認められている。専攻分野は、美術・デザイン、アート、コンピュータ、ビジネスなど。入学には、日本の高校卒業とIELTS 4.5〜5.5が必要。

【高等職業資格取得コース(大学学部レベル)】

・ Foundation Degree ・ Higher National Diploma(HND)

・ Higher National Certificate(HNC) AVCEやファウンデーション

・コースと同様に、高等職業資格取得コースでも課題中心。コース内容は、ケーススタディーとロールプレイを通じて実践的なスキルを身につけるもので、優秀な成績を修めた学生は学士号課程の2〜3年次に編入できる。専攻分野は、美術・デザイン、エンジニアリング、ビジネス、ホテル経営など。入学には日本の短大、専門学校卒業とIELTS 5.5〜6.5が必要。

イギリスの学士号の履修は3年

イギリスでは、学外実習をプラスしたサンドウィッチコースの履修者や医学などの学部以外、学部の修了年限は3年間となります。理由としては、Aレベルでアメリカや日本の大学の一般教養科目や専門関連に相当する科目を履修していることが前提となっているためです。

留学生にファウンデーションコース履修が要求されるのは、イギリス人のAレベルに相当する科目を履修していることが求めているためです。留学生はファウンデーションコースで、進学を予定している専攻に合わせて必要な基礎科目を履修し、最終試験で結果を出さなくてはなりません。 なお、日本の短大か大学1・2年を終えていれば、教養課程修了とみなされ、ファウンデーションコースの履修は免除される可能性があります。しかし、日本の大学での履修科目がこれから専攻したい学科の履修科目として認定されるかどうかは事前に確認することが必要です。

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